かしこくなりたい!

IT好きの行政書士があちこちで入りした際に得た知見を出来るだけ放出するブログとポエム

いまさら転職エントリー、SWALLOW編(電動キックボード販売)

士業(個人事務所)から事業会社へ転職しました。今は2社で働いています。通常、転職エントリーだと会社を移った話だと思いますが、ここでは職種を変えたことを指します。

 

会社概要

2019年2月設立。K-Mobility合同会社、のちにSWALLOW合同会社に社名変更。2022年5月現在、役員3名、社員3名、アルバイト・業務委託3名です。

設立前からHop-on!というサービス名で試験的に電動キックボードに乗った観光ツアーをしていました。

2019年11月渋谷パルコリニューアルオープン時にBOOSTER STUDIO by CAMPFIRE店頭展示し、電動キックボードZERO9の予約販売を開始。

人気の公道走行可能な電動キックボードZERO9、日本での予約販売開始!渋谷パルコでの展示や無料試乗会も開催|SWALLOW合同会社のプレスリリース

今はECサイトと全国の代理店へシンガポールのFalcon社と共同開発した日本の公道で走行可能な電動キックボードZERO9をフラグシップモデルをはじめ、原付2種相当の電動キックボードZERO10X、今年からは電動バイクFiidoも販売しています。

ものすごく端的に紹介すると、電動モビリティの外車を日本仕様にして販売しています。

売れている数とかは、電動キックボード2020年動向まとめ電動キックボード2021年まとめをご覧ください。


ご利用事例としては

・出川さんの番組

www.tv-tokyo.co.jp

秋田県田沢湖観光協会

semboku-gt.jp

ゆげんじま

kamijima.info

など、他もあるのでサイト見てください。書けない事例は会ったときに聞いてください。

swallow-scooter.com

 

知り合う経緯と今の役職

もともと電動キックボードとか欲しかったのよ。

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しかしこの時は「警察官うるさいし、ひでみさんの職業的によろしくないはず」という助言により購入を諦めた。

 

2019年6月、地元溝の口にあるコワーキングスペースの管理人さんから「許認可の申請できませんか?電動キックボードです」って言われたので、もうすぐ行きました。

それで会ったのが代表のきむさん。

私は「報酬そのまま渡すから電動キックボード売ってくれ。金額が足りないなら追加で払う」と伝えたら、「買っても使わないなら意味ないので、そんなに乗りたいなら貸します」ということになり、ちゃっかり乗り回していた。

 

依頼の申請が終わったころ、神奈川県産業振興センターから、「ミラサポ登録のみなさん、県内企業のアドバイザーになりましょう、補助金出します」というメールが来たのできむさんになんか毎月頼みたいことあります?って聞いたら、まぁとりあえずやってみましょとなりました。

www.kipc.or.jp

これがなかったらいつも通り、質問あったらいつでも連絡くださいで終わりだった。ちょうどこの頃、喘息で思うように体が動かなくなった後だったので、今までやってなかった顧問もやらなきゃ、収入が途絶えないようにしなきゃ、と思っていたときだった(テトラも同様)。

swallow-scooter.com

 

現在の私のポジションは業務執行社員
時系列だと、2019年8月くらいから補助金を使った顧問で、2020年2月から業務執行社員業務執行社員は株式会社で言うと取締役くらいな感じ。

現在の役員は創業者のきむさんかじぬまさん、それにあとからやってきた私。
3人ともメインの収入はほかにある。だからといってこっちも片手間ではない。

きむさんはUCLA卒業で英語ペラペラの元CircleCIのエンジニア。2022年2月にSWALLOW社に集中するためCircleCI退職。

7年在籍したCircleCIを退職しました | Program Is Made At Night

かじぬまさんは元Voyageで今はフリーランスのwebエンジニアで札幌在住。2020年に自ら起業してる。三茶ジャパンというおじさんの集まりを企んでる。

 

観光業から販売業への転換

当初、横浜と渋谷で電動キックボードを使ったツーリングを週末にしていたので、たまに手伝いに行ったりしてた。

でも固定の施設もないし、雨降ったら中止だし、そもそもお客さんは買いたいのでとりあえず乗ってみたいという人ばかり。次第に販売メインにすべき?という話がでてた。販売をメインにするならと某弁護士事務所にリサーチのお願いもした。

そんなとき、とある勉強会でパルコの林さんがいたので、乗ってみませんかー?と声をかけた。何度も雨でリスケになったけども乗ってもらったことで、2019年10月の渋谷パルコリニューアルオープンの時にBOOSTER STUDIO店頭に置かせてもらえることにつながって、本格的に販売に転換していこうとなった。

販売するためには中国から届く機体を日本法に合わせる作業がありとてもきむさんだけでは量産できなかったので、ひでみFacebook求人やTwitter求人、さらには購入者に働いてもらうという方法により初期を乗り越えていった。あの頃購入してくださったアーリーアダプターのみなさま、本当にありがとうございます。

起業に至る経緯はきむさんはデブサミで話しているので、参加された方は思い出してください。

スライド

エンジニアが起業する意味: 起業経験ゼロから電動キックボード 事業を創る話

event.shoeisha.jp

役員になってからの仕事

なにかのタイミングで2019年11月ごろきむさんからメンバーになってくださいと言われて役員になることになった。近所だし面白いしいいかな、くらいであんまりお給料の期待はしていなかったし、その後の動向は全く想定していなかった。

きむさんがシリコンバレーの会社で働いているからこその気づきが多くて、知見の広がりがありそっちの期待が大きかった。

2020年2月に役員登記。

私の仕事内容は、対外的な実証実験の立てつけや、役所とのやりとり、BtoB案件のミーティング、メディア対応、社内だと外部に委託してクリエイティブ作るディレクションみたいなことをちょこちょこっと。

クリエイティブ系だと小規模事業者持続化補助金を使ってデザイナーさんに作ってもらったこのチラシ、啓発活動はもちろんNHKで取り上げられたりホント活躍している。


基本的に取材はきむさんが受けていますが、たまたま電話に出たタイミングや、実証実験に関連すること、テトラ社でお付き合いある記者さんからだと私が出ていくこともあります。直近だとこの日経さんの記事にコメントあります。

www.nikkei.com

かかわってくれているメンバーもよい。

2020年1-3月はテトラ社の仕事でアメリカに行っていたので、定例会議しか出てなかった。そんな間にも人のよさが最高なやまださんが業務委託でShopify使ってどんどんとECサイトを作ってくれた。SWALLOWの写真もほとんど山田さんが撮ってくれている。

やまださんは2020年に会社設立した。もうずっと前からやれやれって言ってたのにやっと法人化したら本人のモチベーション爆上げで、SWALLOWの人たちと持ちつ持たれつの刺激の応酬があってとても嬉しい。単に仕事をお願いするだけでない、いい業務委託の関係性で、個人事業主が節税以外の目的で法人成りしていい感じという見本みたいなケースだと思う。

Twitter求人から1号正社員、ひでみFacebook求人から2号社員、その後さらにTwitter求人で3号社員も入った。「安いお給料じゃないと続けられないような事業ならやらん方がいい」ときむさんが決めているので悪いお給料じゃないはず。みんな自主的によく考えるしよく働いている。

かじぬまさんは効率化命のエンジニアなので、人類がだいたい嫌いなクリエイティブじゃない作業系を楽にしてくれている。あと会議とかでなにがゴールなのかとかまとめてくれるのですっきりとした議論ができている。対外的にも論理的に話が収まるのでまとめてもらってとても楽ちん。

きむさんは誰かがやりたいといったことに対して意見やさらに良くする提案をつけてきっちりおけつ持ってくれるので安心してやりたいことを提案できる。だらだら残業するではなく、働きたいならやりたいだけ出来る環境を率先して作っているので、すごいなぁと思っている。

今のところSWALLOWは投資家からの投資をしていただいて回すのではなく、借り入れで回しているスモールビジネスの典型のような会社になっている。資金調達をするスタートアップじゃないと社会は変えられないと思っている人がいるなら、いい意味で反面教師になっていきたいと思う。

行政書士でお手伝いした会社が成長していくこともとても嬉しかったけど、会社の中の人としてチームが出来上がっていくのはまた違う景色なんだなと体験したので、役員になってよかったなと思う。

SWALLOWは主な収入が他にある3人が役員の会社なので電動キックボードとコロナ禍と規制緩和という取材もwelcomeですが、パラレルワーク文脈での取材もお待ちしています!(あらゆる手段で売り上げにつなげたい)

お役所対応を始める

2020年6月くらい、経産省の電動キックボード担当者を紹介してもらえないかなーと思っていたら紹介してもらえることになり、電動モビリティ販売事業者で業界団体を立ち上げる機運がやってきた。

業界団体はあれこれと意見を交わした結果、きむさんとglafit鳴海さんがやりますかね!という感じで2020年9月日本電動モビリティ推進協会(JEMPA)を立ち上げた。

prtimes.jp

そこから11月の参議院議員会館での設立勉強会、12月のMaaS議連マイクロモビリティPTへの参加とつながっていった。

jempa.org

12月のPTはさすがにちょっと気疲れした。自分じゃ写真撮っている余裕がなかったのでLuupさんがとってくれた写真を見てほしい。ちゃっかり写っている茶髪のわたくし。

prtimes.jp

 

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参議院議員会館の中で電動モビリティの試乗風景。ちなみにこんなことやった人は今までいないそうで、あれこれ調整した。

シェアリング事業者と販売事業者

2021年7月からSWALLOWとしてシェアリング事業者が行っている最高時速15km/h・ヘルメット着用任意となる実証実験を後追いで福島ロボットテストフィールド周辺で始めました。この時は福島テレビさんで取り上げていただき、販売事業者として取り組み始められたことをとてもうれしく思いました。

2021年7月12日福島テレビ テレポートプラス

新しいものを取り入れてもらうとき、まずは観光でライトに使えるところから始めてもらうのも手ごろだと考えています。

個人利用に加えて、地域の事情に合わせたレンタル事業を行うことを推奨していけたらと思って実証実験に参画しました。地方の声を法整備にも反映させることができないかとも考えています。実証実験地域の利用者の声とSWALLOW社のユーザーの声は電動キックボード2021年まとめにあります。

また、実証実験には福島ロボットテストフィールドの入居企業の方々にご協力いただいています。技術職の方からの意見は一般ユーザーとは異なり、とても面白いです。これは弊社での開発や機能の説明で役立っています。

シェアリング事業者に喧嘩を売る気は全くなく、移動手段の選択肢を増やすという目的においては共通しているので、どっちが優れているのでもなく日本全国その場所や人の移動に応じて選択できる世の中になっていけばなと思います。

唯一、注目されている今において言いたいのは、ルールを守って、主張すべきを主張し、よい制度に変えていきたいので、ルールを無視した通称”野良キックボード”に乗るのだけはやめていただきたい。

ルールメイキングに挑めるこの会社で働く楽しさ

規制緩和とルールメイキングという2つがあって、電動キックボードはまずは規制緩和、そこからルールメイキングになっていく渦中にいる。

道路交通法に関しては本国会を通過し、2年後をめどに16歳以上であれば最高時速20km/hに制限された電動モビリティに乗れるようになった。

詳しくは会社のブログを読んでください。

swallow-scooter.com

この規制緩和はホントにLuupさんが頑張ったところで、今後のスタートアップの規制緩和へのアプローチとして転換点なんじゃないかなとも思っています。

規制緩和に挑んでいくとき、すでにある法制度の下でものづくりして、利用者の声からここはなくなっても大丈夫だから変えていこうよ、と進めていく方向性と、0からこういうものがいいので作り上げていきましょうと実証実験などを積み上げていく方向性の2パターンがあると思う。

どちらも向かっていく方向性は一緒だけど、SWALLOW社は前者を選択し、この原付の規制が今の時代に合っているとは思っていないけど、まずは合わせた。これからはすでにお買い上げいただいたお客様のフィードバックと実証実験で、あらゆる人の移動のハードルを下げ、電動キックボードの楽しさを実感していけるようにがんばりたい。

 

技術による問題解決を提示していきたい

規制があってもいいからとりあえずもっと身近なところで必要な人がいるんじゃないかな、と実感した瞬間があった。

とある日、私は喘息がひどくなって病院で点滴をしてもらいました。喘息って息が苦しいけど、頭もいつも通りだし、人にうつすようなものじゃないので、収まったら出かけたい。

そこで、ちょっと近くの二子玉川まで映画を見に電動キックボードで出かけた。今までは徒歩+電車で行くか、ちょっとアップダウンあるけど自転車で行くかくらいの近距離で発作あけは疲れるので行く気が失せていた。でも電動キックボードなら家から映画館までさらっと行ける。

移動の気軽さに感動して電動キックボードいい!と社内Slackに投げたら「点滴するほどひどいのに映画見に行ってる場合か!死ぬほど寝とけ!」ときむさんに怒られましたけどね。

 

この説明何度もしたけど、もっとこの説明をするくらい技術っていいぞと世の中に浸透したらいいな。

 

危ないとよく言われる電動キックボードですが、乗り物のリスクは3つの点から下げることができると言われています。

機体をはじめとした技術的要素、交通ルールの周知、利用者のマナーの向上です。

機体に対しては速度制御、GPSを利用した周囲の状況を認識するソフトウェアの開発などが進んでいます。日本での電動キックボードは平成14年から警察庁は存在を認識していました。20年近くたったところでこれだけ話題になるのは、普及するほどの機体製造のコストダウン、技術開発が進んでいるからだと考えます。

せっかくの技術とビジネスモデル、お役に立てる人に届けられたら面白いと思いませんか?

 

SWALLOW社では全機体の検査と日本仕様への組み立てをするアルバイトを募集中です!